ケータイ小説 野いちご

さようなら、ディスタンス。

①異性の友達とのキョリ
★★☆






期末テストまで残り3日。


テストで結果を出すことを条件に、親から臨時のお小遣いをもらえることになったため、とうとう本気を出すことにした。



光くんに東京行きを連絡すると『本当にうれしい。ありがと』と喜ばれた。



「それって、わたしがライブに来るから? それとも久々に会えるから?」



そう尋ねると、彼は嬉しそうに『どっちも』と答えた。



ツイッターを立ち上げ、光くんのバンドアカウントを開く。


ライブスケジュールのツイートを見つけた。


8月以降も、下北沢やら渋谷やら大都会のどこかの街で、3~4本ずつライブをするらしい。大阪や名古屋にも行くらしい。



『どこかで絶対行くー^^』『光くん頑張れ』『大学にも来いよ!』



リプライもたくさんついていて、『おいで!新曲やるよ!』『ありがとー』『おいっす』などと1人1人に返事をしている。



彼が地元にいた頃は、ネットの世界はあってもそれは日常の延長線上で。


すぐ噂は届くし、すぐ彼に会えるし、いつもつながっている気がした。



今では、画面上で情報は得られるものの、彼自身の姿が全然見えない。



ぼとりとテーブルにスマホが落下した。



「やっぱ東京は遠い! 別世界! 異次元!」



そう叫び、頭をかかえていると、


「わっ。びっくりした。さっきから携帯ばっか見てるけど、まずは勉強という名の現実と戦いなよ」


と、一緒に勉強していたアユからツッコミが入った。



仕方なく、わたしもスマホを裏返し、テスト勉強をスタート。


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