宿に帰って来た遥とクレアはとりあえず食事を取る。

ここの宿は夜の10時までなら頼めば料理を出してくれる。

「それにしても酷い国だな・・・ここは」

遥は先程のクレアと兵士のやり取りを見て確信したみたいだ。この国の歪みようがヤバすぎるのだ。

国の絶対神と言われる神に似ているだけで兵士に絡まれるし、山賊っぽいのもいるし、治安は宜しくない。

ひょっとすると、この国はクレアという神の存在で国民を支配しているのでは無いだろうか?

そして、クレアという神の名の元に戦争でも始めてしまう国なのでは無いだろうか?

遥は聞いたことがある。その昔、神の名の元にテロをした国や戦争をけしかけた国の存在を。そして、その国の教育が歪んでいる為、神の名の元に戦争を起こすことがおかしいと思う人がいないのだ。

もしかして、ダイトという国は物凄く歪んでいる危険な国なのでは無いだろうか?

とにかく、この町にいたのではクレアは兵士に捕まる可能性が高いので、どこか平和な田舎の町でひっそりと暮らして貰いたい。