「はぁはぁ・・・」

その少女は死にかけであった。

暑い砂漠の中をただひたすら歩く。次の町までただひたすらに歩き、今死にかけている。

それもその筈、少女が着ている服はとても砂漠を歩くのに相応しくない服装だ。

着物を来て草鞋を履いて、腰に刀を、背中に銃を背負っている。後は軽く荷物を持っているだけでとても身軽そうである。

しかし、やはり着ている服に問題があり、着物では砂漠を横断するのは暑すぎる。

暑すぎて頭が正常に動かないが少女の目にはうっすらと次の町が見えていた。

「あと少し・・・あと少しなんだ。あぁ・・・」

その瞬間、少女はバタっと倒れた。

(あ、暑い。砂漠の砂暑い・・・。でも、もう起き上がる力が出ない・・・。)

少女は立ち仕上がること無くその場で気を失った。


そんな少女を遠目で発見した色黒のおじさんがすぐに少女の側に駆け寄る。

「おい!君、大丈夫かね!意識があるなら声を出してくれ!」

少女は全く動かない。

色黒のおじさんは「どうしよう・・・」と迷ったが、町が近くにあることなので町まで背負っていくことにした。