ケータイ小説 野いちご

265kg→0kg

231kg



【231kg】


「いただきます」


私は手を合わせて、頭を下げる。


お茶碗に小盛りの五穀米。温野菜に、焼きジャケだ。


質素な食事を前に【感謝】をする心の余裕を取り戻した。


量ではない。


食事ができること自体を有難いと思わなければ。


それに今の私には、この量が適量なんだ。


ゆっくり、一口につき30回噛む。


そうすると、米の甘さが分かるようになった。野菜の本来の味も、シャケの海の香りだって分かる。


「ごちそうさま」


空の食器に、頭を下げる。


ご飯一粒、野菜の芯すら残っていない。


磨かれたようにキレイなお皿。


ダイエットから2ヶ月、体重が減らない日はなかった。


順調そのもの。


だが、265kgもあった体重が減るのは当然のこと。


【グゥ~】


食べたそばから、腹が鳴る。


しかし腹が鳴れば、イラつくどころか、私はニヤついた。


初めこそ腹が減って仕方なく、夫に八つ当たりもしたが、それを乗り越えると必ず、体重が減っている。


そして30kgの減量に成功した頃、一つだけ分かったことがある。


【空腹感=減量の証】


絶え間なく襲いかかる空腹に、いつしか私は酔いしれていたのだった。




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