息を整えてシルフィンが何か言おうとした時

「リナ様!シルフィ―ン!」
背後から声が聞こえて振り返ると、爽やか鳥青年ジャックが馬にまたがっていた。

「捜しましたよ。リナ様を王様がお呼びです」

ジャックは馬から降りてそう言った。

「それでは私は街に用事がありますので、ジャックと城に向かって下さい」

「送ろうか?」

「近いから大丈夫。リナ様をお願いします」
シルフィンは可愛らしく私に会釈をして行ってしまった。

「あ……」
大切な話を聞きそびれてしまった。

「手をお貸ししますね」
ジャックは私の身体をひょいと持ち馬に乗せ、自分も私の後ろに乗り手綱を持つ。

ゆっくりと馬は動き、見晴らしの良さに感動してしまう。
乗馬って感じがする。
昨日も乗ったけど、リアムに飛ばされて落ちないように頑張るので必死だった。
今日は優雅だ。

「街はいかがでしたか?」

「楽しかった。お城で落ち込んでたから気分転換になった」

「それはよかったです」

ジャックは嬉しそうにそう言ってくれた。

「魔法の話も勉強した」

「そうですか。単純でしょう?」

「ジャックから見れば単純だけど、難しい」

「魔法を使わないで生活する方が想像つかないですよ。リナ様の世界は凄いですね」

逆に言われてしまった。
とらえ方は色々だねぇ。