週末を超えれば、嫌でも月曜日は来るわけで……

私は、顔にこそ出さないものの行きたくないという気持ちのまま何とか学校にやって来た月曜日。

下駄箱で上履きに履き替えた所で後ろから声がした。

「咲ちゃん、おはよう!」

弾んだ声と満面の笑みで挨拶してきたのは、可愛い子犬系男子の谷村くん。

内心では、なんで下の名前?!と思いながらも私は努めて冷静な声で答えた。

「おはよう、谷村くん」

冷静にと思っていたら、思った以上に冷たい声が出た。

それに驚いたのか、キョトンとするも谷村くんはすぐにニコッと笑うとこう言った。

「うん、咲ちゃんは今日も可愛いね?先週は無理だったけど、今週こそ俺とデートしようね?」

あっさりと女子の集団もいるところで誘い文句を告げて颯爽と歩き去る谷村くんに、私はこの時始めて軽く殺意が沸いてきた……

自身の女子人気の高さを自覚してないの?!

女子の目線が一気に鋭さを増した。

私も足早に、下駄箱から自身のクラスへと足を向けた。
そこに行けば再び奴に会うのが、かなり嫌だったけれど。

針の筵よりはマシである。