給食の時に同じ班の女の子よりも私のことを可愛いと言ってみたり、先生に当てられて分からなかった時こっそり教えてくれたり、ふざけて「2人でディズニー行こー」と言われたりしていつの間にか好きになったが、どうやら拓人を好きになって1年が経つらしい。
クラスも変わり、少し諦め始めた時、私は拓人の親友の司から告白された。告白されるのは初めてだし、とてもイケメンでモテる男子だった。しかし「私は好きな人がいるし、あなたのこと全く知らない」と言った。しかし司は「俺の事知らなくていい。好きな人が居てもいい。これから俺を好きにさせるしお互いに少しずつ知ればいい」と言った。私は渋々その告白を受けた。
司とデートしたり話したりしていくうちにだんだん司を好きになって言った。だが、心のタンスの奥底にはやっぱり拓人がいた。そんなこんなで付き合って1年が経った。
やがて最後の文化祭が近づいてきた。もう、私の気持ちは司に向いていた。しかし、文化祭準備で拓人と同じ係になってしまったのだ。気持ちが引き戻されそうになるのを私は必死に我慢し、着々と準備を進めていった。しかし私はいつ眠ってしまったのだろう。そして、なぜ、今この教室に拓人と私しか残っていないのだろう。窓から外を見ていた拓人が急にこちらに振り返った。私は驚きのあまり、また目を瞑ってしまった。拓人がこちらに近づいてくる。完全に起きるタイミングを失った。拓人は私の隣に座ると私の頭を撫でながら「ずっと好きなのに気づかないね。鈍感すぎだよ。なんで司なんだよ」と言った。私の腕に水滴が落とし、やがて拓人は帰っていった。
「鈍感なのはどっちよ、なんで今更そんなこと言うのよ」私は腕の水滴を優しく撫でながらしばらくそこを動けずに泣いた。