そして、1年前、係長は、課長に昇進した。

私は三度(みたび)別れ話をした。

「これ以上は、課長のためになりません。
もうやめましょう。」

「嫌だ。
里奈を失う位なら、課長になんてならなくても
いい。
里奈は俺の全てなんだ。」

私はまた、課長と別れる事は出来ず、20代を全て課長に捧げて終わった。

私は、30歳になった。