夏休みが終わり、まだまだ暑い日々が続く中
学校は文化祭ムード。
「なぁなぁ、小野田ー。
考え直してくれよー。」
「ちょっとなんで私に言うのよ!」
「小野田が文化祭委員だから。」
そしてさっきから私につきまとってくる男、上原。
その理由はただひとつ。
「俺、劇とか嫌なんだよ。
お願い!ここは慎也に任せようぜ!」
劇をすることになった私たちのクラスの主人公が上原だと言うことに不満を持っているらしい。
ていうか面倒くさいだけでしょ。
ちなみに私は裏方で、衣装係。
私と同じ文化祭委員をやらされてた須藤くんも委員会に入ったおかげで裏方にまわることができ、密かに喜んでいた。
「須藤くんは委員会もやってるから忙しいの。」
「じゃあ他の男子は?」
「あんた、こういう時しか活躍できないんだから頑張りなさいよ。」
さっきから文句しか言ってこない上原。
私だって、できることなら他の男子と変わってほしいよ………なんて。
やめろ、私。
そんな考え捨て去るんだ。
「……それにヒロインが夏帆なんだから、いいじゃない。」
そうだ、いいんだ。
2人がそれで近づいてくれれば、こっちだって嬉しいし。
…………本当に?
本当にそう思ってる?
………うん、思ってる。
ていうか、そう思うのが当たり前なんだし。