「じゃあ夏帆に全部話したんだね。」


「まぁな。変に隠すのはどうかと思ったし。」



夏祭りから数日後。


上原は補習の為、学校に来ている。
ちなみに私はそれに巻き込まれた。


しかも先生にも頼まれてしまったから断れるわけがない。


今は教室に2人しかいないため、夏祭りの後の話をしていた。



………あの後、上原は夏帆に全部話したようで。


帰ってからしばらくして、夏帆から連絡があった。


内容は謝罪とお礼だった。


何も知らなくて私に当たってごめんっていうのと、夏帆を傷つけないために隠したってことに対しありがとうって言われた。


でもそれだけで、それ以上のことは聞いてなかったため今こうして上原に聞いていた。



「夏帆は泣いてなかったの?」


「それが泣いてねぇんだよ。
まあ正確には泣きかけてはいたけど……


こんな最低な俺なのに夏帆にまだ、恋人でいたいって言われた。


『そっちの方が海斗くんは好都合だろうし、私は海斗くんが好きだから』って。


正直びっくりしたな。


断ろうと思ったけど、罰だと思ってまだ付き合ってよって泣きそうな顔で言われたら何も言えねぇよな。


俺が悪いし。」


「………そっか。」


それは、知らなかった。


じゃあ2人は別れなかったんだね。


夏帆がどれだけ上原が好きなのかが伝わってくる。


それで上原も夏帆の良さにわかって惚れてくれればいいのに。


2人は別れなくて良かった。


って思いたいのに………


素直にそう思えないのはどうしてだろう。
いつのまにか性悪な女になっちゃったのかな。