「見たところ大きい外傷もないし、問題なさそうだけど、念の為今日は泊まって、明日検査することにしましょう」


「分かりました」


あの後病院へとやってきた私たち3人は、それぞれ個室へ通され、診察を受けた。


「紗姫ちゃんっ!!」


「界っ!!」


「体は大丈夫なの?
怪我は?痛いところはない?」


「全然平気。
俺はいつも通り元気MAXだから」


「良かった……っ」


「おいっ、くっつくなよ!」


「だって!
聖から事情を聞いたら3人して病院に行ったっていうからもう、心配で心配で」


「はいはい。
気持ちだけありがたく受けとっとく」


「美都ちゃん!!」

「月菜さんっ!?」


全速力で走ってきたらしい月菜さんは、私を見た瞬間ぼろぼろ泣いてぎゅっと抱きしめた。


「大丈夫!?
刺されそうになったって聞いて、慌ててここまで来たの。美都ちゃんに何かあったら私、もう生きてけない……っ」


「おい、俺もいんだけど」


うっうっと泣く月菜さんの頭をぽんぽんとなでる十夜さん。


「ったく、泣きすぎ」


「だってぇ……」


なんだかやっと2人の兄妹らしい姿を見れた気がする。

なんだかんだ言って、やっぱり十夜さんもちゃんとお兄ちゃん、なんだね。