ケータイ小説 野いちご

お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「どうしてほしいですかお嬢様」




「お嬢様。今週の日曜なのですが、なにかご予定などはございますでしょうか」


十夜さんが熱を出してから5日目の朝。


やっと回復してまた執事として戻ってきた十夜さんは開口1番に深く頭を下げた。


「申し訳ありませんでした、お嬢様」


「え?えーと、どうして私、謝られてるんです?」


「治って良かったですね」という言葉が、出かかったまま喉の奥に引っ込んだ。


「正直熱でほとんど覚えてないのですが、とにかく恥ずかしい態度を取った気がして……」


「………」


一応、覚えてるのね。


澄ました顔の普段じゃありえないほど甘えたさんだったあの時。


私としては心臓に、それはもう心臓に悪かったけど、素を見せてくれてるんだって分かって嬉しかった。

何より病気の時なら誰だって、少しくらい弱ったところを見せてもおかしくない。


まあでも、本人が聞いたら嫌がるだろうし、一応黙っておこうかな。


< 180/ 353 >