ケータイ小説 野いちご

お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「手取り足取りお教えしないといけませんね」




「黒木、やばいね……」


「やばいって?」


「美都への愛が重すぎるというか、渋滞しすぎというか……」


翌日の朝。

授業が始まるまでの少しの時間、私は昨日あった出来事について紗姫に話していた。


「だって、他の男を下の名前で呼んだからって、本当はケーキを用意してただけなのに、親密な夜を過ごすような期待させたり、脅迫めいたようなこと言ったり」


「………」


「黒木って、あのクールな表情の裏では美都のことしか頭になさそう」


「わ、私のこと?」


「そう。一に美都。二に美都。三も四も美都で、なんなら十まで美都ばっかり」


それって、一に勉強、二に勉強……ってやつだよね?


「俺なら逃げ出すレベル。つーか、引くわ」


紗姫は根っからの自由気質だもんね。


渋い顔をして両腕をさする紗姫に、私も思わず苦笑い。

確かに黒木さん、見た目と中身とのギャップがすごいよね。


てゆーか、別人かと思うほど。


< 149/ 353 >