ケータイ小説 野いちご

お嬢様、今夜も溺愛いたします。

「とびきり甘い夜にいたしましょう」

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「お嬢様。私の勘違いでしたら、大変申し訳ないのですが。どこか、体の具合でも……」


「えっ!?
ど、どうしてですか?」


「あまり、召し上がっておられないようなので……」


「あ、いや、これは……」


「はっ、もしやお口に合いませんでしたか!?
申し訳ございません!!すぐに作り直して……」


「違います!!
体調は悪くないですし、めちゃくちゃ美味しいですから!いつもありがとうございます!!」


「お、お嬢様……?」


早口で言い切った私にますます心配な目を向けてきたメイドさんやシェフ。


美味しすぎて、いつもならもっともっとと食べちゃうのに、今日はなんだかお腹がいっぱいで。


箸が進まないのは、体調でも、味が問題でもないく……


「我慢だけはなさらないで下さいね、お嬢様」


どの口が言ってるの?


かんっぜんに、私のすぐ後ろで控えるこの執事のせいだ。


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