小暮千紘は雨がやまない町に住んでいる。誰も説明ができない現象は一年前に病気で亡くした恋人の高木美憂にあった。彼女が話していた町に残る言い伝え。そのとおりに彼女がいなくなってから雨が止まずに、千紘はずっと前に進むことができずにいた。そんな中で出逢った同級生の柴田和香。なんの接点もないはずの和香は何故か時々、美憂と重なるところがある。そして千紘が美憂と一緒に選んだプレゼントを和香が持っていたことでようやく和香が美憂の妹だったことを知る。一方の和香も二卵性として産まれた美憂の死に躓いていた。千紘が美憂を想う気持ち。和香が美憂に対して抱いていた劣等感。交わることのなかったふたりは美憂と過ごした日々を思い出しながら、過去を乗り越えていく。そしてお互いの大切に気づき、美憂を忘れるのではなく共に生きていこうと誓う。すると降り続いていた雨は上がり、空には未来を照らす虹が架かっていた。