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降り続いていた雨がやんで、一年。
私たちは高校二年生になった。
新たな学年、新たな教室。特に大きな不満はないけれど、強いて言うなら……。
「なあ、お前らって付き合ってんの?」
前の席の坂口がうざいことくらい。
世間ではまた梅雨入りの季節になったけれど、この町の空は今日も青空。雨がやんだあと、町は色々と変わった。
一番大きいのはやっぱり町を離れていった人たちが戻ってきたことだと思う。坂口もそのひとり。
人が増えたことにより、ずっとシャッターを閉めていた商店街は再び賑わいを取り戻して、隣町と合併すると言っていたこの高校も無事に存続できることになったらしい。
なのでA組だけだったクラスはB組が復活して、クラス替えは一応行われたけれど、あまり代わり映えはしてない。
むしろこうして距離感が近い坂口が前の席で、私はうんざりしているところだ。
「……ち」
言い返すのが面倒なので舌打ちをした。すると、坂口は私の隣の席の人に助けを求めるのがお決まりのパターン。
「お前の彼女、怖いんだけど」
「……はは」
否定もせずに苦笑いしているのは、小暮だ。
以前と変わらずに同じクラスになった私たちは、クジ引きで決めた席替えでも、また隣同士になった。
本当に代わり映えしなさすぎでしょ。