パチッ

「えっ、やぁ何ーーッッ」


「落ち着けよ、誰も手出さねーし。

お前、桐生高校の生徒だろう?

月曜から世話になるんだよ」

パチパチと、瞬きを繰り返す女。


「先生なのーーー?」



「あー、そうだよ。


だから、心配すんな。あっ、家のもんに電話しとけよ」

「い…………からーー居ないから誰も居ないからいいの。」



誰も居ないからと言った女の目は、寂しそうだった。


「お前名前は?」


「神崎 ゆめ」


ゆめ、か。

「ゆめ、今日は金曜だし、暇なら家に居ていいぞ‼先生のご飯付きだぞ」



「ご飯、食べないからーー」


はあ?


今なんつった?