朝―――

「ゴホン、ゴホン」

私は急に咳が出始めた。

「なっちゃん?風邪?」

真君が私の顔を覗き込むかのように声をかける。

「あ、ううん。
熱はないし、大丈夫だよ」

「そう?ならいいけど」

心配そうな顔を浮かべたまま真君は席につく。

「よう、真!!」

「あ、遊星(ゆうせい)じゃん!!」

「あのさ、提案があんだけど」

「何?」

と、一気に(久しぶりに)真君の周りが男女でいっぱいになった。

ヒソヒソと何か話している。

「あ!!それ、いいね!!」

と目を輝かせながらその提案にのる。

「じゃあ、早速呼びかけるね!!」

と真君が教壇の上に立つ。

「ねぇ、みんな、聞いてほしい。
期末テストが終わった週の土曜日に、みんなで肝試しするから来れる人はここに、サインしてほしい」

「え、真も来るの?」

「もちろん!!」

「じゃあ、私行く!!」

「私もーー!!」

と一斉に名前を書きに行った。

私以外は。