1人、教室の隅でいつものように窓の外を眺める。


ぼーっと、何も考えずに。


すると途端に青かった空が夜のように真っ暗になる。


それが怖くて泣きそうになった時………


「磯村さん?」
誰かが私の名前を呼んだ。


そしたら暗くなった空が嘘のように晴れる。


声のした方を向くと………中川くんだった。


私は席から立ち上がる。
だけど体に力が入らなくて中川くんの方へと倒れ込んだ。


中川くんは慌てて受け止めてくれる。


あれ………。


そっか、これは夢か………。


だって普通なら中川くんに悪いと思い、すぐ離れないといけないのに、そんなこと一切思わない。


夢の中だからだろう。