ケータイ小説 野いちご

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早く気づけよ、好きだって。

Lovers*3
近くて遠い花火大会


待ちに待った夏休みに突入し、毎日汗だくになって暑さをやり過ごしながら、松野神社のお祭りの日を指折り数えてはにやけてしまっていた。

お祭りの日は日曜日なので、仕事が休みのお母さんに浴衣を着せてもらうことになっている。

今年はお父さんにおねだりして新しい浴衣を買ってもらったんだ。紫色の生地に白い花が描かれたシンプルで大人っぽい浴衣。帯には蝶々柄の綺麗なラメが入っていて、すごく気に入っている。

着るのが楽しみだな。

水野君にも早く会いたい。夏休みに入ってから、会えなくなってさみしいと思っている私がいる。

毎日なにをしてるのかな。思えば、水野君のことってなにも知らないや。

どんなところに住んでいて、誰と暮らしているのか、サッカーが上手だけど中学の時にやっていたのか、私に似てる親友がいるって言ってたけど、どんなところが似てるんだろう。

もっと詳しく聞けばよかった。なんて、今さら後悔。

どうしてこんな気持ちになるのかは、もう薄々感じ始めている。

ううん、最初からわかっていた。ただ認めたくないだけだった。

水野君のことが——好きなんだって。

もっと水野君のことが知りたい。色んな顔が見てみたい。

もっともっと、色んな姿をさらけ出してほしい。そう思うのは、水野君のことが好きだから。


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