次の日の朝、私は総合公園にいた。時刻は現在朝の七時前。風は冷たいけど、澄みきった青空が一面に広がっている。

約束の時間を二時間が経過しようとしているけど、水野君の姿はない。

やっぱり、私の声は水野君に届かなかったのかな。私じゃ、水野君を変えられなかったのかな。

ううん、変えようなんて考えること自体が、そもそもおこがましかったんだよ。

サッカーゴールの前に立って、右上の端っこに狙いを定める。そして、助走をつけて走り出した。右足を振り上げ、ボールを蹴ろうとしたけれど。

スカッと音が聞こえてきそうなほどの、見事な空振り。勢いあまって、地面の上に倒れこんだ。衝撃でゴンッと頭を打ち、痛さに顔をしかめる。

「いったぁ」

ダメだ、全然うまくなってない。グラウンドを走っていたおかげで持久力はついたと思うけど、サッカーに関しては全然ダメ。

シュートもまともに打てないなんて終わってる。これじゃあ、なんのために毎日練習してきたんだか。

「だっせーなぁ」

え?

地面に伸びてる私の上に影が落ちてきた。目の前にあるのは澄みきった青空と、水野君の呆れ顔。しかも、その顔には笑みが含まれている。

「なにやってんだよ、バーカ」

「み、水野君……!」