ケータイ小説 野いちご

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早く気づけよ、好きだって。

Lovers*5
心の声


「では、球技大会の出場種目決めをしたいと思いまーす」

十月中旬、ホームルームの時間。黒板にずらりと書かれた球技大会の種目を見て、自分が出れそうなのを探す。

実は私、運動音痴なんだよね。

「っしゃー! みんな、気合い入れてやろーぜ!」

「もちろんっ! 絶対優勝!」

「タダ飯、タダ飯ー!」

クラスでも目立つ部類の男子が立ち上がって大声で叫んだ。クラス中みんな乗り気で、教室内は活気にあふれている。

それもそのはず。

なんたって、球技大会で優勝したら一ヶ月間の学食無料券が全員にもらえるのだ。うちの学食は美味しいと人気で、球技大会は無料券を巡って文化祭よりも熱く盛り上がると言われている大イベント。

「桃ー、どうする?」

前に座っている皐月が振り返って聞いてくる。

「できるだけ、みんなの足を引っ張らないような種目に出る。あ、玉入れとかよさそう。綱引きもいいね!」

「あー、だよね。じゃあ、私もそうしようっと。っていうか、玉入れとか綱引きって、運動会でするものだよね? なんで球技大会でやるの? 球技じゃないよね」

「それ、私も思った。でも運動音痴な人には、神種目だよ。私、ほんとに球技とかダメだし」

皐月と話していると、その間にどんどん決まっていった。すかさず玉入れと綱引きに立候補したけれど、ひとつは却下。やはりちゃんとした球技にひとつは出ないといけないとのこと。


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