「桃ってば、不器用すぎるー!」
「っていうか、そこまで好きならいっそのこと告白するしかなくない?」
「そうだよ、告白しちゃいなよー。そんで、うまくいったらダブルデートしよ!」
フードコートのドーナツ屋さんで飲み物とドーナツを前に、ワイワイと盛り上がる。
放課後、高校の最寄り駅からの帰り道の途中の、二駅先にあるショッピングモールに私たちはきていた。
私と皐月と麻衣ちゃんと百合菜の四人。珍しい組み合わせだけれど、最近特に私たちは仲が良い。というのも、私がみんなに水野君のことが好きだと打ち明けたから。
恋愛トークに花が咲いて、みんな目をキラキラと輝かせている。
「こ、告白なんて、絶対に無理!」
無理無理と全力で否定する。振られるってわかってるのに、できるわけがない。それにせっかく少しずつ仲良くなってきてるのに、ここで気まずくなるのは嫌だ。
「そんなこと言ってたら、幼なじみの女の子に持っていかれちゃうよー?」
ドーナツを頬張りながら皐月がからかうように笑う。あれから宣言通り皐月と話して、お互いに言いたいことを言い合った。その結果、誤解がとけて私たちは元どおりの関係に戻った。
それから私たちは急激に仲良くなって、今ではなんでもズバズバ言い合える仲に。