それから一週間。

あれ以来、皐月はあからさまに私を避けるようになって目も合わせてくれなくなった。

クラスでは私以外の子といるようになったし、お昼休みもそそくさと教室を出て行き、どうやら他のクラスの子たちと過ごしているようだった。

嫌われているんだと思うと、悲しくてさみしくて涙が出てくる。

『正直、めんどう』

『一緒にいたくない』

皐月に言われた言葉が頭にこびりついて離れない。

幼稚園、小学校、中学校では友達とはうまくやってきた。誰とでも仲良くなれるのが私の特技で、なんの問題もなくやってきた。

こんなことは初めてで、戸惑うことしかできない。

どうしてこんなことになっちゃったのかな。

皐月はもう、私とは仲良くするつもりはないの?

一緒にいたくないって、言ってたもんね……。

理由が気になるけど、またなにか言われたらと思うと怖くて聞けない。もう、私から皐月に声をかける勇気なんてない。

これ以上傷つきたくない。

「はぁ」

帰り道、一人トボトボと駅までの道を歩いた。駅の改札をくぐったところで、柱に寄りかかりながら立っている水野君を見つけた。

だけどなんとなく話しかける気になれなくて、水野君も私にしつこく話しかけられてうっとおしいと思ってるのかなとか考えたら余計に気分が沈んだ。

一方的に仲良くなりたいのは私のほうで、水野君は迷惑してるよね……。私なんかと仲良くなりたくないはずだ。

なんて、今はもう何事も悪い方向にしか考えられない。

水野君は私に気づいていなかったので、そのまま通り過ぎてホームへ上がった。

数メートル先に麻衣ちゃんの姿が見えて、胸がドクンと鳴った。その隣には皐月がいて、二人はなにやら楽しそうに会話している。

遊びにでも行くのだろうか、二人は電車通学じゃないのに駅にいるなんて。

麻衣ちゃんたちにバレないように二人から離れた車両の列に並ぶ。