ケータイ小説 野いちご

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早く気づけよ、好きだって。

Lovers*3
波乱の予感


新学期初日、夏休み中に昼夜逆転傾向になりがちだったせいで朝起きるのがつらく、あやうく寝坊しかけた。

朝ご飯を数分で胃に流し込み、歯を磨いて身支度を整えると勢いよく玄関を飛び出した。

そこには珍しく蓮の姿があり、私が来たことに気づいた蓮と視線が重なる。

「おはよ、待ってるなんて珍しいね」

「はよ。たまには一緒に行こうと思って。けど、相変わらずだな」

呆れたような表情を浮かべて、やれやれといった様子の蓮。私は「あはは」と愛想笑いをすることしかできない。

いい加減、このギリギリ癖を直さなきゃ。前もって計画を立てて行動するようにしないとね。そう思っても、実際行動に移すのは難しい。

久しぶりに蓮と並んで登校すると、電車の中でも、学校の最寄り駅に着いて歩いている時も、周囲からの視線をひしひしと感じた。

「え、彼女?」

「いや、ありえないっしょ」

「ショックなんだけど!」

女子たちからの声が聞こえて、思わず身を縮こめながら歩いた。蓮といると、どこにいても注目を浴びてしまう。

学校の前まで来ると、ひときわたくさんの生徒からの視線を感じた。

嫌だな、この視線。なんだか慣れないよ。

そんな中、ツインテールの可愛らしい後ろ姿を見かけて思わず大きな声で叫んだ。

「麻衣ちゃん!」

友達と歩いていた麻衣ちゃんの肩が、一瞬だけピクッと反応した気がした。けれど、その背中がこちらを振り返ることはなく、遠ざかっていく。


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