モニターに映し出される、カウントダウンの数字が0になると同時に、僕はステージに上がった。

歓声をくれるみんなに手を振りながら、ステージの真ん中のマイクの前に立った。

「えーと、今日は、僕、seiyaのワンマンライブに来てくれて、ありがとう」

目の前には、5000人近くの観客がいる。

「それでは、早速始めたいと思います」

肩にかけたアコースティックギターを構え、鳴らす。

最前列の冬月に視線を送り、告げる。

「聴いてください。“それでも、僕はきみと”」