目を覚ますと、蛍光灯が放つ白い光に目が眩んだ。





「よぉ、気がついたか」





アッシュグレーの髪に黒い制服ブレザーを着た男が、そう声をかけてきた。隣にはピンク色の髪をした女がいた。2人はベッドの横にあった椅子に座って、俺を見ていた。





「……あの、ここって?」



俺は上半身を起こして言う。



「病院だ。俺は八尾光輝(ヤオコウキ)。お前、俺の目の前で気を失ったんだよ。覚えてないか?」









光輝さんは、そう言って作り笑いをした。




……つまり、俺は対価もなしにこの人に助けられたのか。







「助けてくれて、ありがとうございます」



善意で助けられた。






「ああ。お前、妖斗だっけか。
妖斗、……売色なんてやめておけ」