「おはよ、咲蘭!」

「おはよ、拓真」

あれから拓真は、一度も泣かず、あたしにお母さんの思い出話をしてくれた。

「咲蘭、あのーー」

「あたし、教室行ってみる」

「え?」

「このままじゃ、ダメだって分かったの。だから」

「そっか……じゃあ、いいこと思いついたんだけど」

「え?」

相変わらずご飯は食べれないけど、腹痛は少し和らいだ。

「「行ってきます!」」