「あった…。
白井さん、ちょっとこれ見て。」

「なんですか?」

「これこれ。」

「これって瞳ちゃんの…。」

「そうだね、これは大変だっただろうに…。」

「これを踏まえた上で瞳ちゃんには接しないといけないね。」

「瞳ちゃんにはこの事話すんですか?この歳なら覚えていない可能性のが高いと思いますが…。」

「とりあえずは言わない方向でいよう。だけどあの怖がりよう、何かあるかもしれない。」

「そうですね、私も全力でサポートしますし、先生もよろしくお願いします。」

「もちろん!私たちの最強ペアにかかればどうって事ないよ!」

「はい!それじゃあ、私はそろそろあがりますね。先生、当直頑張ってください。」

「はーい、気をつけてね〜。」


私が探してたものは、瞳ちゃんのカルテ。
晴ちゃんと瞳ちゃんの引率で一緒に来ていた学校の先生に頼んで瞳ちゃんのご両親に連絡を取ってもらった。
瞳ちゃんの既往歴と通っていた病院の確認をするために。
うちの病院に通っていたみたいで、うちの病院にカルテがあった。確認してみると、当時の担当医や入院歴、当時の様子などが書いてあった。
当時の担当医が瞳ちゃんには合わなかったのだろう。あの先生は腕はいいけど嫌がる患者に無理やり処置したり、患者の話を聞かないなどで有名な先生だった。いわゆるアスペルガーが入ってるような先生。
幸いなのはどのような状態でどのような処置をしたのか、細かくカルテに書き留めておく先生だったことだ。
さっきざっと確認したけど、瞳ちゃんは相当嫌がって抵抗して泣き叫んでたみたい。
喘息の治療中に何度も過呼吸を起こして、過呼吸の処置もしている事が沢山あった。
その先生は2年前に定年退職していて今はこの病院にはいないけど、あの人に対しては賛否両論いろいろな意見があった。
瞳ちゃんのあの怖がり方は恐らくあの先生のせいだろう。尋常じゃない怖がり方をする。
こちらも瞳ちゃんがパニックを起こさないよう、瞳ちゃんに悟られぬよう、気をつけてしっかり見ておかないといけない。
幸い、白井さんには心を開きつつあるみたいだし、明日白井さんに注意して見ててあげるように言っておこう。