がちゃがちゃと音がして目が覚めた。
ぼんやりと目を開けると、
「あ、起きましたねー。夕食置いておきますね。食べられるだけ食べてください。」
と、言われた。
配膳してくれていたみたい。
食べたいような食べたくないような…。
食欲はあるのかないのかよく分からないけどまだ頭がぼんやりするからもう少し待とう…。
「晴、ご飯来たよ。」
ベッドで眠っている晴に声をかける。
「んんん…。」
唸り声は上げたけどまだ寝てるみたい。
ひとり飯(?)はちょっと寂しいけどそろそろ食べてみようかな…。
「いただきまーす…。」
あ、意外と美味しい。
だけどあんまりたくさんは食べれそうにないなぁ…。
黙々とひとりで食べた。
完食は案の定出来なかったけど、まあ半分ぐらいは食べれたかな。残りはごめんなさい。
「ごちそうさまでした。」
それにしても晴が起きない。
「晴。」
試しに揺すってみたらちょっと起きてくれた。
「ん…なに…?」
「ご飯来たよ。」
「そっか。」
「全部は食べなくてもいいけど食べてみてねって言われた。」
「ん、食べる…。
よく寝た…。」
「晴、全然起きてくれなかったしね。」
「あれー?そうだった?」
「うん。」
2人で顔を見合わせてちょっと笑った。
「私、もういいかな…瞳残した?」
「うん、半分ぐらい。」
「お盆下げに行く?」
「動ける?」
「えー、わかんない。」
「熱あるし、今日はやめておこう。」
「わかった。」
「先生たち、次はいつ来るの?」
「ご飯下げてもらってすぐとかかなー?なんせ私も久しぶりの入院だから、細かいところはちょっと怪しかったりする。」
ナハハ、と晴が笑う。
まあ、そんなもんだよ。
私も笑い返す。
しばらく談笑している間に配膳してくれた人と同じ人が食器を下げに来てくれた。