先生の手、すごくひんやりして気持ちいい。

こんなに病院やお医者さまが嫌いなのにこんなに素直に診察を受け入れられている自分にびっくりしている。


先生の手が私の首から離れた。


「瞳ちゃん、恐らく確実に喘息が再発したんだと思う。喘鳴が酷いから。一応喘息だって言い切れるように別の検査をしなくちゃいけないんだけどそれはまた明日にしよう。この喘息だと入院治療が欠かせなくなってくるの。晴ちゃんと一緒に入院頑張れる?」


入院…。
え、入院?私が?こんなに病院嫌いなのにずっと病院で過ごすってこと?
そんな…。


「大丈夫、私や白井さんもいるし、晴ちゃんと同じ部屋にしてあげるから。」

「私も瞳と一緒なら心強いな…。」

「…絶対入院なの?」

「うん、今の瞳ちゃんの状態で家に帰すのは危険すぎるよ。今は晴ちゃんよりも瞳ちゃんの方が症状が重く出てるし。」

「晴より…?」

「そう。晴ちゃん、辛そうだなって思わない?」

「はい、すごく。」

「晴ちゃん、入院レベルなのわかる?」

「たしかにいつもそうだった気がします…。」

「その晴ちゃんより瞳ちゃんの方が今は体が大変って言ってるんだよ、気づいてるかどうか分からないけど。2人ともなかなか酷い体調してることには変わりないんだけどねぇ。」

「わかんなかった…。」

「だから、入院頑張ろう?」

「たしかにそれなら仕方がない…。」


私は気がついたらポロッと言ってしまっていた。


「よし、よく言った!」

「なんでここで私の話を出してくるかなぁ、琴美先生は…。」


遠藤先生がガッツポーズしている横で晴がボヤいてる。
私は1人落ち込む。


はぁ、入院か…。
大丈夫かな…。


「大丈夫、私や琴美先生がついてるから!」


そう言ってあの看護師さんこと白井さんが励ましてくれる。白井さんがいるなら頑張れるかもしれない…。

そう思って私は首を縦にふった。