むかしむかし、あるところに、白雪姫という、それはそれは美しいお姫さまがおりました。


お妃さまは白雪姫がうまれてすぐにお亡くなりになり、王さまは新しいお妃さまをもらいました。


新しいお妃さまは美しい方でしたが、大変わがままで、自分よりも他の人が美しいと、じっとしていられませんでした。


お妃さまは不思議な鏡を持っていて、いつもこう聞くのです。


「鏡よ鏡、国じゅうで一番美しいのは誰だい」


すると、鏡はいつもこう答えていました。


「お妃さま、あなたです」


でもある日、いつものようにお妃さまが鏡に聞くと、鏡はこう言いました。


「お妃さま、それは白雪姫です」


白雪姫だって!? とお妃さまは驚いて、白雪姫をちまちまいじめるようになりましたが、白雪姫はやっぱりどんどん美人さんになっていきます。


そしてある日、お妃さまは、白雪姫を殺せば、二番目に美しい自分が一番目になれると思いました。

なんともバイオレンスなお妃さまです。


お話は少し急ぎます。


お妃さまは猟師に命じて白雪姫を暗殺しようとしましたが、猟師の裏切りにより、森の奥深くに逃がされた白雪姫は生きていました。

嘘をつかない鏡がまた白雪姫ですと答えるのですから、間違いありません。


そこでお妃さまは変装をし、毒林檎を作り、林檎売りのおばあさんの姿になって、森の奥深くに白雪姫を訪ねて行きました。


というところから始まるお話です。