とうとう来てしまった。

深呼吸してドアのぶに手をかける。

「た、ただいま」

小さな声で言った。

和海は電話中で私をちらっと見て視線をずらした。

私は和海から逃げるように台所に行きカレーを作った。


「用事ができた。今から行ってくるから飯いらない」

和海はそう言ってカレーをかき混ぜてる私を見ずに出ていってしまった。

「カレーは日持ちするからよかった……」

本当は何にも良くない。

「お風呂にでも入ろう」

火を止めて風呂を沸かした。