帰り道。
私は隣を歩く伊吹をじーっと見つめていた。
近くで見るとどれだけイケメンかってわかるよね。
「…………あの、何でしょうか?」
私の視線を不審に感じ取ったのか、伊吹が私の方を見てそう言った。
「あ、いや別に………こんなイケメンが護衛ってすごいなと思って。」
私が正直に言うと伊吹はふっと頬を緩めて
「イケメンって……そんなことないです。」
と言った。
「いや、どう考えてもイケメンでしょ。」
「じゃあもっとよく見てください。俺のどこがイケメンなんですか?」
いや、全部だろ。
もしかしてこの子、さっきも女慣れしてなくて照れてたけどさ………
まさかの無自覚?
あの漫画や小説でよくある女が無自覚の逆パターンですか?