オレたちはようやく怪物を振り払い、安全圏に逃げ込むと、草むらに座り込み、顔を見合わせた。




「何だよ、あの怪物は……。

何であんな生き物がこの島にいるんだよ」




「人間の1.5倍の大きさはあったよ。

容姿は人間とゴリラの中間みたいな感じだった……。

あんなの今まで見たことないよ」




「だけど、あの怪物は人間の言葉を喋った。

もしかして、あの怪物は、人間と同種の生き物かもしれない……」




「そんなのあり得ないよ。

人間の力じゃ、人間の首を引きちぎれない」




「だったら、あの怪物は……」




「莉々菜が……、莉々菜が死んじゃった……」




結衣はそう言うと、人目もはばからずに泣き始めた。