高宮家では毎年栞菜の兄の命日に一族や関係者が集まり法要をする。




栞菜は朝早くからその準備におわれ準備が終わると玄関で関係者に挨拶をしながら迎え入れた。



栞菜の耳に関係者の心のない声が聞こえてもぐっと我慢をしている。




亡くなったのが兄ではなく栞菜なら財閥は安定した
体の弱い栞菜には財閥は背負えない
女がやっていける社会じゃない




9年たってもやはり心にいたく突き刺さる言葉にも栞菜はぐっとこらえ笑顔で迎えた。




玄関に向かうひとりの姿に栞菜は張りつめた心がゆるみそうになるのをこらえた。








喪服姿であらわれたのは啓吾だった。