「あの……お昼頃に副社長から
来るようにと指示があったのですが
行ってもいいでしょうか?」

私は、市原さんに尋ねた。

「朔夜副社長からですか!?
は、はい。ぜひそちらを優先して下さい。
副社長は、会社にとって
なくてはならない存在です。
あの人の機嫌で株が大きく左右させられることも
多いぐらいですから」

そう言って行くことを許してくれた。

副社長の機嫌で株が左右するって
どれだけ影響力の強い人なの!?

でも……それぐらい影響力のある副社長なら
もしかしたらお金を貸してくれるかも。

ゴクンっと唾を呑み込んだ。

すると市原さんが

「もうすぐ社長が来る頃ですね。
私が出迎えて来ますのであなたは、そのまま
仕事を始めておいて下さい」

「は、はい。分かりました」

慌てて返事をする。

市原さんが社長を迎えに行っている間。
私は、デスクにあるパソコンで仕事を始めた。