すべてが終わったあの日から1年。


私、設楽さん、叶翔さんは、血の繋がった家族としてたまに会っている。


叶翔さんの方は叶翔さんの方で、莉桜が真実を話してくれていたようで、私が切り出す前にすべてを察してくれたように短くキスをしてくれた。


最後のキス。


もう、キスをすることもできない。


血が繋がってるから……。


あのときのキスが忘れられない。


だけど、忘れなきゃいけない。


新しい恋をして…忘れなきゃいけないね…。


莉桜は、あのあと叶翔さんと別れた。


今莉桜がどんな気持ちなのか、そんなことは分からないけど、後悔はしてないんだと思う。


〝運命〟が決めた道を私たちは歩んでいるようで、本当は私たちは自分たち自身で道を選び、歩んでいる。


選んだ道がどんな道であろうとも、私たちは懸命に歩まなければいけない。


……そうだよね。


叶翔さん、莉桜、設楽さん。


出逢ってくれてありがとう。