「……ホントに私なんかでいいの…?」


夜になるまで二人でぶらぶらし、辺りはすっかり真っ暗に。


「あぁ。前に約束しただろ」


〝約束〟


叶翔さんがそんな風に捉えててくれたことが素直に嬉しい。


1度連れていってくれたあの海。


夜になると月光が綺麗なんだと教えてくれたあの海。


今夜、そこに連れていってくれるんだ。


「歩くのダリィからバイクでいい?」


近くにある叶翔さんの家の駐車場からバイクにまたがる。


「ちゃんと捕まっとけよ」


叶翔さんが被せてくれたヘルメットを調節して、叶翔さんの腰に手を回す。


密着してる……。


心臓の音、聞こえちゃわないかな…。


「行くか」