セーヌ川のクルージングの乗り場は、エッフェル塔のすぐそばだった。


青く光り輝くエッフェル塔を見つめながら、

溢れる涙を拭った。




10数人の人が並んでいて、日本人だとわかると、声をかけてくれた。


「コンニチハ!」


「アリガトウ!」



時計は、もう夜の23時だった。



「怜、元気出しなよ!」

「いい思い出だったじゃん!」



聖も悠希も、アランとの別れを確信していた。


さっきのあの軽い返事は、3人をがっかりさせていた。




その時だった。



「レイ!!レイ!」



どこからか、私の名前を呼ぶ声・・・


フランスに友達なんていない。



もしも、聞き間違いでないのなら、


その声の主は・・・アラン。