持っている、服も布地も裁縫道具もガッツリこの世界に来る前に持っていたものは全て持ってこちらに来れたみたい。


さて、私多分見かけはそのまま平凡女子だよね?
美形世界とか神様言ってたけど。
ギフトがうんたらこーたら言ってたけど…
神様の少し軽かったノリに不安になり自分を写すものを探す。
確かポーチに鏡が…


三分お待ちください……


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「誰が私まで美形にしろと言ったよ?!言ってないよ!!そんなこと!」


鏡を見てタップリ三分押し黙ったのは言うまでもない。
神様は美形好きなのだな。
漏れなく私も綺麗になってしかもちょっと…
いや、まぁまぁ若返ってる。
大学生だったのが高校生になりました位の若返り。
五歳は戻ってる…
こら、神様ギフトくれすぎじゃないか?
でも、よくよく考えるとここは美形だらけ。
この容姿の方がこの世界には馴染みやすいのかも…
持ち前のポジティブさと図太さを持つ私は、一人頷くと立ち上がって周囲を見回す。


「さて、どっちらに向かえば人に出会えるやら。とりあえず後方の森は却下ね。私は戦う術も無いし、非力だし。人里どこー」


やたら独り言になるのはご容赦願いたい。
すると、そんな独り言の切れたところに何やら大きく早い足音がする。
例えば大きな動物的な…


動物?!


思わず固まる私の前に現れたのは、白馬の王子ならぬ白馬の騎士でした。