あの日のお茶会はその後も服談義に花を咲かせ、女性陣おおいに楽しんだ。


帰り間際のアメリア様が王太子様を何だか不思議な視線で見てたのが、よく分からなかったけれど。
あの美形と近くに居ても何とかなったのは二回目だから?などと、油断をしてはいけなかった。


「モネ嬢、また近いうちにお会いしましょう?その時まで僕を忘れないでくださいね?」


満面のスマイルで手の甲にキスしながら言われてしまった。


ビシッと固まったのは言うまでもない。
だから、正統派美形が王子様で王子的振る舞いは…以下略


「あら、最後に良い感じに!」

「エリーザ様、モネお姉様は固まってますわ…」

「あらあら、リアムとリュカが見たら大変ね?」


後方で三者三様の感想が交わされていたし、近くに居たメイド達は声こそ出さないものの、その顔はいい笑顔していた。


「次は王宮のお茶会にお招きしますわ!ぜひいらしてね?」


エリーザ様からそう言われて


「はい。その際にはよろしくお願い致します。本日はお越しくださりありがとうございました」


お母様とそう挨拶をして王家の紋章の馬車をお見送りした。


ところで、会う度に手の甲にキスしながら何かを言われるのだが。
これは王家的ご挨拶と流して良いかな?
良いよねと自分的に納得して頷いている後方では…


「あれは、モネ様にはまだ通じてないわね?」

「王太子様の攻めが足りませんね?」


などとメイド達が囁いていた。