さてさて、話を聞けばこの世界の社交シーズンが二ヶ月後に迫っていると言うではないか!


この世界の残念服でシュヴァイネル家の面々を参加させてなるものかと、私はものすごい勢いで四人分のデザイン画と基礎パターンを引いた。
出会ったその日に、全員の採寸を済ませていたし、シュヴァイネル家の面々はとにかく美麗だ。
服のデザインはどんどん浮かんでくる。
そして、今は生成生地でドレスの立体裁断している所だ。
物はあるのに専門職としてデザイナー、パタンナー、裁縫師等が確立されておらず、貴族の家にも手先の器用なお針子さんがメイド兼で数名抱えており、そのもの達が社交シーズン用の服を作っていたという。


他所に行かないメイド達ではそりゃ、デザインは進歩しない。
その代わりと言ってはなんだが、生地系は貿易などの影響もあり、様々な生地があるのが分かった。
宝石や飾緒、装飾品の加工技術もこの国はレベルが高い。
おかげで、クズ石でドレス装飾用のビジューを作って貰った。


なかなか素晴らしいと思っていたら、そりゃそうだ。
私がたどり着いたこの国は、大陸一の大国だという。

なのに、ファッション改革が必要って…
本当に右向いても左向いても美形だらけだから残念感が酷いよ!
泣き崩れちゃうよ、私は!