ケータイ小説 野いちご

彼の隣で乾杯を

親友の居場所
親友と副社長

佐本由衣子 入社5年目 27才

いつの頃からか『海外事業部の薔薇の花』『薔薇姫』などと呼ばれている。

なぜ薔薇の花なのか。
ーーそれは私に棘があるからだろう。



自分で言うのもなんだけど、容姿には恵まれている方で昔からよく男性に声をかけられる。

まだ精神的に子どもだった高校生の頃には、知り合いでもないのに近寄ってくる男性にどう対応したらいいのかわからなくて愛想笑いをしていたら周りから八方美人と言われ、片っ端から断っていたら嫌な高飛車女と言われた。

でも、性格的に男性と軽い付き合いをするのは無理なだし、どう対応していいのかわからなかったってだけ。

そのうち徐々に世渡りというものをを学んでいったのだけれど、それでもやはり同性から嫌味を言われることはあった。

自分の好きな男子が私のことを好きだからって敵対心を燃やしくだらない嫌がらせをするなんて、そもそもその心根がどうかと思うけど、そんなこと彼女たちには関係ないのかもしれない。

そして社会人になって配属先が営業職ともなれば使えるものは使って当たり前。
私の笑顔に興味を持ってくれたらしめたもので私の仕事に利用させてもらう。

笑顔で交わす会話は仕事のため。

私にとってこの容姿は武器であり防具でもある。
持っているものを使わないなんてあり得ない。

上司の指示で接待の会食に行くし、合コンにも行くこともある。
だけど、それは決して婚活でもワンナイトラブの相手探しでもないことだけははっきり言いたい。
それは仕事をしていく上での人脈作り。

ーーーただ、周りにはそう見られていない。




私にとって仕事とはーーー
私を裏切らないもの。私の生活を支える基盤であり、わかりやすく評価してもらえるもの。

私にとって恋愛とはーーー
裏切り、気の迷い、心を乱すもの。

私にとって男性とはーーー

一体なんだろう?




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