やっと1日が終わろうとした頃、ルーカス様が部屋を訪ねて来た

「セレーナ、グラファイトでの1日はどうだったかな?

「とても充実した1日でしたわ。このペースなら一週間で花嫁修行も終わるんじゃないかしら?」

「ははは、あの量に泣き言も言わず着いていく君はさすが俺が見込んだだけの事はある。父のグラファイト王はしきたりを重んじるタイプでね、お転婆姫に結婚を申し込むにあたって色々とくどくどと言われてね、、、」

「そうでしたの。私、国王陛下にはよく思われていないみたいですね。でも私この花嫁修業はグラファイト王のためにするのではなく、私の第二の祖国となる民のためですわ。このくらいの事で泣き言を言うようなら、グラファイト王国次期国王の妻は務まらないと思っておりますの」

「その心意気、嬉しく思うぞ。侍女よ、今夜は外してくれないか?君の部屋は執事のクリストフが案内する」

「畏まりました」

、、、パタン

「さて、2人きりになったし、褒美をやろう」

「ほ、褒美など必要ないですわ」

セレーナの方に歩みを止めないルーカスとの距離がどんどん縮む

ま、まさかルーカス様、、、

「ル、ルーカス様、その、いくら私たちが婚約してるとはいえ、そういったことは順番を…国王様にこれ以上嫌われたくありませんわ」

「ぷっ、、、くくくくくっ、、、すまない。私だってそのくらいの事わかっている。」

「じゃあなんですか?」

「セレーナ、これを羽織れ」