千衣side



「他の子と、仲良くしないで」



少し間があったあと、陽向くんが断言した。



「任せろ、もうしないから」



陽向くんと女の子が手を繋いで歩いていた。



その衝撃ったらない。



やっぱりあたしのことをからかっただけなんだ…そう、思った。



けど、陽向くんがあたしを好きと言ってくれた。



もう、それだけで十分なのに。



たまに女の子と仲良くするぐらい、目をつぶるべきなのかも。



それでも…やっぱり確かめたかったの。



「それなら…許してあげる」



こんな言い方、嫌な子かな。



素直になれない自分が嫌。



本当は陽向くんを独り占めしたいのに。