陽向side


逃げ足早っ!!



体育館の脇を抜け、渡り廊下に辿りつくとそのまま人ゴミに紛れてしまった。



あいつらが言うように、ユウナとの仲を誤解した?



だったらなんで逃げるんだよ…。



立ち尽くしていると、ドンと誰かと肩がぶつかった。



「わぁっ、陽向くんだぁ」



嬉しそうに顔を上げ、しがみついてきたのは…。



「まりあちゃん?あれ、なんでいんだよ」



間中の彼女のまりあちゃんだ。



しかもひとり。



「間中くんとはぐれちゃった。ちょうどいいから陽向くん、案内して?」



「は?そんな暇じゃねーの。今から千衣を探さないとな」



「ああ、陽向くんの彼女?今日は一緒にいないんだ?」



逃げられた…とか言えねーし。