今日は12月12日。


お姉ちゃんの誕生日だ。


「お姉ちゃんが生きてたらハタチか……」


12月12日の朝、遺影に向かって話しかける。


「今日はお祝いするからね」


お母さんが朝ごはんを準備しながら言った。


「うん……」


お祝いすると、必ずお姉ちゃんに会いたくなる。


会うことはできないのに。


だから、お祝いはしたくない。


どんなときでも優しかったお姉ちゃん。


チョコレートが3つしかなかったとき、必ず2つを私にくれた。


嫌いなオカズが出たとき、こっそり食べてくれた。


忘れられない思い出だ。