─ドンドンっ!と騒がしい太鼓の音が校庭から聞こえた。



いつもよりもかなり朝早い時間だけど、校内は生徒で溢れかえっている。




しかも、学園祭独特のワクワク感が全員を包んでる感じ。



それは、私も例外じゃないけど。




「ねえ、茉優、どんな感じ?」


「いい感じだよ〜っ、ほら!」




明らかにご機嫌な茉優が、私の右目下に押し付けていた濡れたティッシュを取る。



ひんやりしたものがなくなって、なにかが張り付いている感覚が残った。




「はい、鏡!」



手渡された鏡を見ると、さっきの場所に1つだけラメ付きピンクのハートが浮かんでる。



そして、私の目の前にはお揃いのハートを左目下につけている天使。




やっときた学園祭当日に、こんなタトゥーシールをつけちゃうなんて、ウキウキしすぎ?




でも今日は楽しんだもん勝ちだよね!