「あ、やっと帰って来た!」

少し経って教室に戻ると朱莉が寄って来た。

「どうだった?」
「どうもなにも、峻くんの顔見て帰ってきた!」

「は?」

え?
私なんか変なこと言った?


「流川に話しかけなかったの?」
「なんかお友達と楽しそうに話してたから邪魔したら悪いなーって思って!」

理由を述べても渋い顔をしてる朱莉。

「…彼女なのに?」

「…多分…?」

朱莉につられて私まで渋い顔になる。


「ぶっ。2人してなんでそんな顔してるのさ」

春くんが私たちの顔を見て笑う。

「ねぇ、春。」
「ん?」

「なんで、流川はひかるに告白したんだろう?」

朱莉!?
なんでそんな事、春くんに聞くの!?


「そりゃあ、好きだからでしょ?」
「普通はそうだよね?」

…だけど。

「峻くんは私の事、好き…なのかな。」
「ひかる?」
「ひかるちゃん?」

私がふと呟いた言葉に、2人が私を見つめる。


「な、なーんてね!冗談冗談!」


…嘘。
冗談なんかじゃない。
この2ヶ月ずっと気になってる事。

でも、
ここで嘘つかないと心配させちゃう。